戸建を購入する際に、一般的に重要なポイントとしては、築年数や建物の状態・接道に加えて、「土地・建物の面積(広さ)」かと思います。
土地については当然広いに越したことはありませんし、建物も狭いよりは広い方が良いです。
ただし広ければ広いほど物件価格は高くなってしまい、広さに完全に比例して家賃が上がる訳でもないため、利回りは低下することが一般的です。
シェアハウスを運営したり、法人の寮として貸し出すなど特殊な運用方法であればより広い方が良いですが、一般の賃貸物件として貸し出すことを前提としたら、どのくらいの広さが一番ベストなのでしょうか?
当然、エリアによっても事情は違いますし、アパートのように10世帯まとめて市場に供給するという訳でもなく1人(1世帯)だけに響けば問題ないのですが、投資効率も鑑みた上で一番ベスト(というか無難)な広さを私なりに考えてみました。
その前に、アパートではなくで戸建賃貸を希望する入居者のニーズはどのようなものがあるのでしょうか?
・家族が多い、荷物が多い、狭い所が嫌いといった、単純に「広さ」へのニーズ
・子供がうるさい、楽器を弾く、または隣がうるさいのが嫌といった「音」の問題
・壁のすぐ向こうに知らない人がいるのが嫌(近隣との距離)
・ペットを飼いたい(ペット可の集合住宅が少ないため消去法)
・庭いじりをしたい
・戸建て特有の雰囲気・昭和感が好き(笑)
こんな感じでしょうか。
それでは戸建ての中でも、「広い戸建て(90㎡以上)」と「狭い戸建て(60㎡以下)」では、戸建て投資家目線ではどちらの物件に投資(購入)すべきでしょうか?
投資家目線で考えると以下の通りかと思います。
<広い戸建て>
・広い賃貸物件が少ないので、優位性が高い(他物件との差別化)
・当然、決まれば高い家賃が取れる
・コロナ禍によるテレワークニーズも追い風
・広い分、物件価格も高くなる
・修繕や現状回復費用も高くなる
・これから実家の空き家などを賃貸物件として活用が進む可能性が高く、広い物件の競合が増加する懸念がある
・高い家賃が払える人であれば、住宅ローンを組んで戸建てを購入してしまう可能性も高く、入居期間が短くなる?
<狭い戸建て>
・修繕や現状回復費用が安価で済む
・単身者から夫婦・母子家庭・生活保護者など幅広い層をターゲットとすることが出来る。
・実需層が買わない狭小物件が多く、安く買える
・ただし家賃も低い
・アパート・マンションと思いっきり競合する(差別化出来ない)
・水回り設備の不具合対応や屋根・外壁などの修繕発生時は家賃に対して割高となる
ざっくりと上記のような感じでしょうか。
広いのも狭いのも一長一短ですね・・・
もちろん正解はないのですが、私は60㎡~90㎡くらいの「中間的な広さの戸建て」がベストだと思います。
そのくらいの広さがあれば、ネットに掲載されている大半のアパマンよりは広く、戸建て特有の優位性も生かせ、今後も単身~2・3名の世帯が増加することは確実なので、家賃設定やエリアを外さなければ、一番固いと思います。
私の戸建ては、たまたま約50㎡~80㎡の物件ばかりですが、購入後に広さ面で後悔したことはありません。
ただし、土地の面積が狭すぎたり、建蔽率・容積率が低いと、実需向けの売却が極めて難しくなり、投資家にしか売れません。
今思えば、「だから安かったのか…」と思われる物件もいくつか購入してしまっております。
本当は物件購入検討段階で、近隣の戸建賃貸の掲載数や広さ、実需向け出口の可能性もリサーチすることが良いのでしょうが、私は割安と判断したら、何も考えずに速攻で買付を入れております。
最悪オーナーチェンジで売れる物件であれば、必要以上に深く考えずに、これからもどんどん買っていきたいと思います(笑)