本屋へ行くとFIRE本ばかりですね。。。
機関投資家や富裕層が購入する都内一等地の10億以上の不動産のみならず、サラリーマン投資家が購入するような1億以下のRCマンション・アパート・戸建てなど、全ての投資用不動産の価格が高止まりしております。
私は2018年以降、不動産全般(特に収益物件)の価格が低下すると予測しておりましたが、コロナショックによる「金融緩和」「一部企業の休業やリストラによる将来への不安」「他にカネを使わなくなった(投資に向けられた)」「在宅勤務の広がりにより平日の昼間も株式や不動産投資に時間を割けることになった」ことなどが重なり、多くのサラリーマンが「投資家」と化したことにより、予想に反して全く価格が下がって来ません(笑)
以上の現状を踏まえて、2022年の不動産投資市場の予測を私なりにしてみたいと思います。
まずモノの価格においては「その価格より高い価格で買う人がいなくなれば、価格は下がる」ということが言えます。
要は需給のバランスですね。
コロナ禍以後、上記の理由により「にわか投資家」が激増しましたが、彼らは今迄株式・FX・仮想通貨投資はしていても不動産投資はして来なかったため、そこそこのサラリーマンであれば今迄の蓄えにより「流動資産」(現預金や有価証券)を結構持っております。(戸建て買いたい病により、常に手元現金が枯渇している私とは大違いです・・・)
そんな彼らは、自宅(特にマンション)の含み益拡大や株やビットコインの利益もあり、「今」の不動産相場しか知らないため、割高な現在の価格でも、「羽振り良く」結構な額の現金を投入して物件を購入します。
特に中古アパートは表面利回りがそこそこ高く、長期でローンを組めばとりあえずキャッシュフローは出るので、業者シミュレーションを過信して購入し、当初のキャッシュフローに味を占め、その後は私のように買いたい病に掛かり、2・3棟立て続けに購入します。
もしくは「都内のマンションはまだまだ上がる」と信じている投資家であれば、利回り5%前後の区分など「キャッシュフローゼロ物件」でも購入します。
これがここ1,2年の実状だと思います。
この状況が続く前提としては、
①低金利のまま利上げが無く、
②株式などの金融相場が堅調であり、
③不動産に対するネガティブな変化がない
ことだと私は思っております。
①についてはアメリカのインフレ&利上げは始まっておりますが日本はほぼ無風であり、現状は問題ありません。
②については、年明け以降かなり相場が崩れてきております。特に個人投資家が好きなマザーズ市場が撃沈しているだけではなく、ここ数日は仮想通貨も暴落気味で、ビットコインは2021年11月に800万円近くまで上げましたがブログ執筆時点で約400万円と半減しております。
不動産価格は金融市場から半年~1年程度遅れて影響が出ることが多いので、この影響により一部の投資家が「現金が溶けてしまい不動産を買うどころではない(買い需要の減少)」「不動産を売って換金しないと・・・(売り需要の増加)」となり、需給が崩れます。
さらにトドメは③で、インフレ気味ではあるものの単身者や外国人の減少などにより家賃は上がらないにもかかわらず、リフォームの部材や職人人件費の高騰、さらには給湯器不足など、賃貸経営には一気に逆風が吹き始めております。
戸建ても割安な物件が減りましたが、中古アパートは「築30~35年」「路線価10万以下エリア」「単身向け(狭小)」の物件が利回り10%未満でも取引されているようです。
株や仮想通貨もそうですが、新規参入者(≒素人)という新たな買い手が細ってきたら、その価格以上で購入する人がいなくなり、バブルははじけます。(靴磨きの少年理論です)
今の不動産価格はバブルではなくとも明らかに割高です。
アメリカのように物件価格の上昇とともに家賃も上昇すれば、インフレ対策にもなる素晴らしい投資と言えますが、現在の日本はそうではありません。
またFIREブームの中で、そろそろ「かぼちゃの馬車級」の詐欺まがいの事件が起こりそうな気もしますね・・・
という訳で私の2022年の投資用不動産の市況予測としては、「株やビットコインの暴落に引きずられて、③のネガティブ要因も重なり、夏頃から取引が停滞し始め、明らかに物件価格は下がる」です。
ちょうど現金も枯渇気味なので、半年程度は「迷ったら買わない」ことにして、現金を蓄えておきたいと思います。