戸建とアパートの価格妥当性の比較

不動産

戸建とアパートについて、価格や価値の違和感、歪みについて考えてみました。

 

同じ立地・築年数と仮定して、路線価5~10万円程度のエリアでは、私の感覚では現在の相場は以下のイメージです。

戸建    土地80平米 建物80平米   → 500万円  利回り15%弱

アパート  土地240平米 建物240平米  → 3000万円   利回り10%強

アパート、高っ!!

アパートの方が、世帯分のキッチン・トイレ・風呂・玄関のドア・配管など、単純に戸建てと比較して割高になるのはしょうがないですが、仮に築30年で、建物の積算価格はゼロ、土地値が戸建て500万円、アパートは3倍の1500万円とすると、アパートの場合は大きく信用棄損を起こしてしまいます。

30年くらいの長期融資を引けるアパートの方がキャッシュフローは出ますが、客付けの強さや利回り、購入価格に対する資産価値は、圧倒的に戸建てに軍配が上がります!

また戸建ては市況に左右されにくい上に価格の歪みが大きいので、アパート高騰相場では、価格が高騰していない戸建てを「歪みを生かして」さらに割安に購入することで将来の投資規模拡大に有利になります。

 

投資初期で、「とにかくキャッシュフローを貯めて次の物件購入の資金を貯めたい!」 という人はアパート・30年ローンは良い戦略ですが、この戦略は数年後に購入価格前後かそれ以上で売れることが前提です。

3000万円・30年・3%の条件ですと5年後の残債は約2700万円ですが、現金で購入時と売却時の諸費用を10%(300万円)支払うと、年間キャッシュフロー60万円(5年で300万円)、5年後に残債(2700万円)で売れたと仮定して、譲渡税を無視してやっとトントンです。

また建物部分は4年で減価償却していることを考えると、5年後の売却時の簿価は土地のみであり、長期譲渡扱い(20%)としても、譲渡税や売却時の仲介手数料なども加味すると、購入金額かそれ以上で売れないとマイナスで終わってしまいます。

もちろん年間60万円のキャッシュフローを次の物件購入時の頭金にして有効活用し、キャッシュフローを「複利」で上手く運用出来れば良いですが、私なら売却時のキャピタルロスを考えると夜も眠れません(笑)

もしくは、56歳で年収2000万円の方が、60歳で定年退職することが決まっており、残り4年間の節税のため購入するには良いと思います。(60歳以降は給与年収が激減しますので、減価償却が切れたアパートを持っていても税率は低く抑えられます。)

最近、土地値に近いアパートは増えてきましたが、世帯数が多く(=立ち退き費用が大きい)、接道もイマイチだと、解体費も引くと全然土地値で売れません。

5年後に土地の実勢価格が上昇していれば良いですが、郊外なら下落しているエリアの方が圧倒的に多いでしょう。

公庫の融資も民間の金融機関に倣って引き締め傾向のようです。

キャッシュフローが出ているのなら、今の融資環境が大きく好転するまでひたすらホールドするのが妥当かもしれません。

個人的には、三井住友トラストしか築古木造に長期融資が付かない状況が続き、相場が2~3割安くなった時点で、戸建てを共担に入れてフルローンでアパートを購入することを目標に頑張りたいと思います。

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