1棟モノの価格が多少下落傾向にあり、首都圏郊外では利回りも2年前より1~2%上昇している感があります。
私は不動産業者から、毎日数十通の物件メールが来ますが、最近多いのが
「相続税路線価の〇%! ほぼ土地値!」
「近隣相続税路線価〇万円! 土地値以下!」
といった内容のメールです。
気になった物件は資料を取り寄せることもありますが、マイソクの画像やグーグルアースで、ある程度物件の立地や接道について分かることも多いです。
公示価格を「10」とすると、相続税路線価は「約8」、固定資産税路線価は「約7」となりますが、それとは別に「実勢価格」という実際に取引されている価格(相場)も存在します。
私は物件購入を真剣に検討した場合、まずは相続税路線価をチェックします。
https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal 全国地価マップ
仮に、公示価格が平米10万円で、相続税路線価が8万円の道路に面している100平米の土地であれば一般的に言われている土地値は8万円×100平米=800万円となります。
また接道面積が広く、整形地に近ければ、固定資産税評価額は700万円となります。
こういう土地(戸建て付き)を500万円とかで購入出来れば、土地として売却した場合に、1000万円前後で売れる可能性もあるので、買えた瞬間に含み益となります。
都内などであれば実勢価格は公示価格よりもはるかに高いので、さらに高値で売れます。
不動産業者が言う「土地値物件」とは、上記の例でいえば800万円以下ということです。
ここからが注意が必要な点ですが、「参考近隣路線価」とは、物件の接面道路には相続税路線価が定められていないケースで、相続税路線価が決まっている道路まで数メートル~数十メートル離れていることから、通常は実際の土地の価値は多少下がります。
私の横浜金沢区の戸建てが当てはまるのですが、近隣相続税路線価が約12万円、接道している私道の固定資産税路線価が約8.5万円です。
土地の面積が約120平米ありますので、
・近隣相続税路線価は、12万円×120平米=1,440万円
・固定資産税路線価は、8.5万円×120平米=1,020万円
となります。
ただし、金融機関が土地の評価をする際には、相続税路線価に加えて、毎年の固定資産税の支払明細に記載されている「固定資産税評価額」を重視します。
固定資産税評価額は、単純に固定資産税路線価×平米数ではなく、接道や土地の形状、高低差の有無などの補整が入りますので、掛け目が入ることが多いです。
ちなみに横浜市金沢区の物件の固定資産税評価額は、理論値の約半分です。
決済時、固定資産税の日割り精算の時に見せてもらった評価証明書で初めて知りました。
「土地値物件!」と不動産業者が言ってきても、鵜呑みして飛びつかず、土地の固定資産税評価額も教えてもらった上で、土地の価値を冷静に判断すべきですね!