都内不動産特有のリスクと特性

不動産

不動産投資は①インカムゲインと②キャピタルゲインによって、最終的な投資の勝ち負けが確定します。

また、エリア(都内・郊外・地方)や、物件構造(RC・鉄骨・木造)、物件種別(マンション・アパート・戸建て・オフィスビルなど)、築年数(新築・築浅・築古)など、様々な選択肢が存在します。

さらには、サラリーマン投資家以外にも様々な投資プレイヤーが存在します。

日本の事業会社(法人)、個人の資産家(個人の資産管理法人を含む)、不動産会社(デベロッパーや出口となるREITなど)、外国人投資家(機関・個人)、地主などです。

まず国内の事業会社や相応の規模の不動産会社は購入する金額の桁が違いますので、サラリーマン投資家とはほぼ競合しません。競合するとしてもサラリーマン向けに物件を販売している収益系不動産会社の仕入れ時と競合するくらいでしょうか。

また外国の機関投資家や富裕層の個人投資家は、自国の物件利回りや調達金利と比較した結果、日本の不動産が相対的に収益性が高い、もしくは将来のキャピタルゲインが得られる可能性が高いと判断して主に都内の物件を購入しますが、サラリーマン投資家とは競合しません。

 

個人の資産家や地主とは、特に都内では競合するケースもあると思いますが、彼らと年収500~1200万円程度のサラリーマン投資家の目線は全く異なります。

サラリーマン投資家は、「キャッシュフローはいくら出るか?」に始まり、「あわよくば売却益も狙いたい!」というのが一般的かと思いますが、資産家や地主の目線は、「インフレ対策に、現金は保有せずに値下がりしにくい物件を買っておく」「タワーマンションや、路線価と実勢価格の乖離が大きい都内の不動産を購入することにより相続税対策を行う」といったケースが多く、「現金保有リスクをヘッジ」するために不動産を「活用」しているのです。

また所得が非常に高いサラリーマンは、目先の所得税・住民税を減らすために、減価償却が大きく取れる中古木造アパートを購入するケースも多いです。

それでは、フツーの年収のサラリーマン投資家はどうすべきかというと、2020年現在において、安易に都内の不動産には手を出すべきでは無いと考えます。

コロナが落ち着いた後に、強烈なインフレが来れば、その分家賃や物件価格も上昇するので結果として投資は成功しますが、それは株式投資でも同じことが言え、ある意味博打的な要素が高くなり、外す可能性も十分あります。

不動産価格が低迷していた2009年~2012年頃であれば、それ以上大きく下がることは考えにくく金融緩和とともにある程度は価格が上昇することは予測出来たかもしれませんが、さすがに今の高騰相場であれば、特にここ数年爆騰した都内の不動産は、価格が大きく上がる可能性以上に、短・中期的には一旦調整が入る可能性の方が高いと思っておく方が無難です。

仮に将来の価格相場が横這いでキャピタルゲインは期待出来ないと仮定した場合、サラリーマンが背伸びをして都内で低利回りの物件を保有している場合、「キャッシュフローは薄い」「今迄のようなキャピタルゲインは期待出来ない」「退去のたびに家賃を引き上げるということも出来ない」となり、相続税対策、所得税・住民税対策が必要ないサラリーマン投資家には全く旨みが無い投資となってしまいます。

直近の都内の状況として、コロナによる密回避やテレワーク導入に伴う郊外・地方へ移住という流れも一部ありますが、それ以上に、都内での生活コストを維持出来ず郊外へ引っ越す、大学生がワンルームを引き払い実家へ帰る、外国人労働者の激減といった理由で賃貸ニーズは確実に減少しており、ここ半年くらいで、入居が決まりにくくなったというネットの情報が非常に多いです。

そうなると海外マネーや機関投資家による買いは旺盛であったとしても、一般的なサラリーマン投資家が購入するようなせいぜい5,000万円~2億程度の物件を現在の下がりそうで下がらない価格で購入してもメリットが薄く、将来のハイパーインフレに賭けるだけの博打となってしまいます。

都内の不動産は収支・採算を度外視した特定層による購入ニーズが存在するため、周辺エリアと比較して極端に利回りは低くなってしまいますが、山手線から30~1時間も電車に乗れば、利回りが都内の1.5~2倍になるようなエリアはたくさんあります。

個人的には、キャピタルロスの可能性も秘めている都内利回り7%のアパートと、価格が既に下落しきっていてキャピタルロスの可能性が限りなく低い郊外の利回り15%のボロ戸建てであれば、機関投資家や相続税対策が必要な富裕層と全く競合しないことからも、後者の方がサラリーマン投資家には向いていると思います。

2009年~2012年頃に不動産を購入していなかった「ひがみ」が、少なからず含まれた主張ではありますが、、、

1・2年以内に本当のコロナ不況が来ることを想定し、次の投資のタイミング(暴落)に備えて、無理な規模拡大や資産性を期待し過ぎた投資は控えて、今迄通り、地味に地道に泥臭く、当面はボロ戸建て投資を継続することを誓って2020年を締めくくりたいと思います!

 

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