私は不動産投資関連の本は100冊以上は読んでおりますが、読み始める前に必ず確認することは、初版時期に加えて、「誰が書いたか」という点です。
①不動産(投資)の専門家・有識者
②不動産業者(宅建業者)
③(元)サラリーマン投資家(今はリタイアしているケースが多い)
①は客観的データに基づいて正確な分析・予測をしており、それなりに参考になります。
②は、将来の年金問題、平均寿命の長期化の話に始まり、自社で取扱いしているジャンルの不動産を購入することが、いかに素晴らしいかを説く内容が多く、断片的な知識の吸収には役立ちますが、不動産投資を成功に導く可能性は低いと思います。
③は、一番やっかいです(笑)
話の流れは、激務のサラリーマン時代→金持ち父さん貧乏父さんを読んで不動産投資を開始→多少失敗を繰り返しながらも規模拡大に成功しキャッシュフロー月間〇万円! 売却益〇千万円! 今は専業大家となりコンサルもしてます、という内容が極めて多いです。
うらやましい・・・(笑)
ここで私がチェックしているのは、不動産の購入開始時期から直近までの時系列です。
成功大家さんの物件購入開始時期は、(大昔からやってる方も一部いらっしゃいますが)ほぼ2009年~2013年頃です。この頃であれば三為業者の売主物件(主に地方のRC)をフルローン・オーバーローンで言われるがまま、スルガ銀行で融資を受けて購入していたとしても、大半の方は儲かっているはずです。
2013年頃からの金融緩和
30年前後の融資期間のため、もともとそれなりに出ていたキャッシュフローが借り換え(4.5%→2%くらい)によりさらに増加
2棟目・3棟目も立て続けに購入
三為業者の利益てんこ盛りでも利回り12%程度で購入していた地方RC物件を長期譲渡となったタイミングで利回り8~9%程度(2016~2018年前半までの相場)で売却
残債はほとんど減っていないが購入価格より大幅に高い価格で売り抜け億万長者
の流れです。
融資が厳しくなり、物件価格がじりじり下がっている今のマーケット環境では全く再現性がありません(笑)
ただし歴史は繰り返しますので、貸出先に困っている銀行が金融庁のほとぼりが冷めたころ、融資書類(源泉徴収票や自己資金エビ)のチェックのみ厳格に行う前提で、また融資ジャブジャブになるのでは? と予想しております。
株と違って不動産は空売り出来ませんので、今の時期は自己資金を貯めて耐えるしかないですね・・・
不動産は購入時期が極めて重要な要素だと思います。
初めて物件を購入したのが2015年~2017年頃で、高額の地方RCを低利回りで購入したという人の復活本が早く出版されて欲しいですね。
「私は、今はスルガの融資も付かなくなったエリアで、大幅積算割れ物件を相場より〇千万高値で購入し、借り換えも出来ず、すぐに来た大規模修繕も乗り越え、偽装入居(カーテンスキーム)と家賃下落にも耐え、売却しようにも残債は消えず買い手の融資もなかなか付かない中、最終的に満室経営&高値売却に成功しました!」みたいな(笑)
こんな本があれば、私は即効で買わせてもらいます!