現在の市況をもとに、私なりの2023年の戸建てと中心とした投資戦略を考えてみたいと思います。
前提は以下の①~⑤の通りです。
①金利上昇の動きあり
②円安・資源高によるインフレが本格化
③不動産価格の高止まり
④ウィズコロナ禍における賃貸需要の変化
⑤相変わらずの副業ブーム・投資ブーム
①については、数千万単位の物件であれば徐々に影響が出てきて価格下落圧力になると思います。
住宅ローンや不動産投資ローンは政策金利と連動する短プラ連動型の変動金利が多いので、実際の金利が大きく上昇することはありませんが、日銀の黒田総裁の退任も迫っていることから、物件購入を慎重になる投資家が増える可能性があり、価格の調整局面を迎えるはずです。
ただし数百万の戸建ては現金買いがメインであることから影響はほぼ無く、むしろアパマン投資家が融資を使った高額物件の購入を控える代わりに、しばらく戸建てを買って様子を見るという動きが想定され、戸建て投資は2023年一杯は過熱感が継続するような気がしております。
②については、2021年後半くらいからじわじわと影響が出始めておりますが、2023年もリフォーム費用(部材や人件費)の高騰は続くと思います。直近は少し円高に戻しておりますが一旦値上げされたものが値下がりすることは考えにくく、不動産投資家の懐が厳しい状況は継続すると思います。
③については、①で触れた通り少し変化が起こりそうです。物件サイトを見ていると、路線価5~10万円エリアの木造・築30年超えのアパートが利回り10%前後で売られております。立地や金利にもよりますが、市況の変化が無いとして経年劣化分だけ資産価値が下落すると仮定すると、まず儲からないと思います。(キャッシュフローは多少出ると思いますが)
外国人投資家が購入しないような郊外・安価(といっても数千万程度)な物件は、さすがに価格の天井を超えたと思います。
④については、都心部の単身物件が引き続き需要が弱いようです。「都心部=利回りが低い」とすると、高値で購入している投資家はキャッシュが回らなくなる可能性もあり、今の高騰相場で売り抜けようとする投資家が増えそうです。
投資家(特に合同会社)が売主の、都心部・単身・低利回りの数千万単位の物件は、個人的には絶対に購入したくありません(笑)
⑤については一番読めませんが、金融の世界では「より馬鹿理論」というものがあります。
本来の価値を大幅に上回る過大評価された資産を購入し、後にさらに高値で転売出来れば儲かる場合がある、という考え方です。
ここ10年ほど不動産価格は上昇トレンドを継続しており、今の高騰相場で購入しても更に上昇するだろう、まだインカムゲインで充分稼げるだろうと判断して高値で購入する投資家の存在がまだまだ増加している印象です。
コロナ以降にマーケット参入した投資家は今の相場を基準として考えるため、その中で多少割安だったり見栄えが良い物件であれば積極的に購入すると思います。
またこれから不動産投資を始めようとする30代以上のエリートサラリーマンであれば数千万の自己資金を保有していることも多く、購入基準が緩い(=高値でも購入する)と思います。
靴磨きの少年が株の話をし始めて、これ以上新たなマーケット参加者がいないと判断して「売り」に回って暴落を回避した投資家の話は有名ですが、不動産投資は株式投資と違って、そもそも購入出来る属性の人が限定されているので、あとどれくらいマーケット参加者が増えるのか正直読めません。
アパートは価格の天井を付けた可能性が高いですが、戸建て投資については金利の影響も受けないことから、副業ブームに乗って、あと1・2年はマーケット参加者が増加し、過熱相場が続くような気がしております。
というか、今年から来年に掛けて長期譲渡となる物件が増加する私としては、来年一杯までは過熱していて欲しいです(笑)
上記を踏まえて2023年は、瞬間蒸発級のアパートを現金で購入出来る資金力がない私は、引き続き割安な戸建てがあれば購入しつつ、一部物件は売却して利確を進め、「購入2戸・売却1戸」程度の地味な活動に留めたいと考えております。
激アツな物件が立て続けに出てきたら、その限りではありません(笑)