不動産投資は、格好よく言えば「不動産賃貸業」ですが、地主ではないサラリーマンが融資を受けて、土地と建物を一から購入して家賃を得ようとする行為は、やはり「投資」の要素が強いと思います。
株やFXを経験した後に不動産投資を始める方は多いですが、投資・ギャンブル全体の中で不動産はどのような位置づけになるのか改めて考えてみました。
<国や自治体、運営元といった「胴元」が存在するもの>
宝くじ・競馬・競輪・パチンコ・カジノ など
<手数料を支払う必要がある仲介役は存在するが「胴元」は存在しないもの>
株・債券・FX・仮想通貨・金・原油等の先物取引 など
明確な胴元が存在するものは「ギャンブル」であり、胴元が必ず儲かるので、投資家(ギャンブラー)は長期的に見れば、ほぼ100%の確率で負けます。
胴元が存在しない、いわゆる金融商品は購入時に若干の手数料はかかりますが、金融機関は手数料収入を得るだけで、投資家と金融機関はトレードオフの関係にはならないので、勝てる確率は十分にあります。
これこそ「投資」です。
では不動産投資はどうでしょうか?
業者が売主であれば、高い価格で売買が成立すれば業者が儲かり、その逆であれば投資家が儲かるというトレードオフの関係になります。
不動産会社が「仲介」を行うのであれば、物件の持ち主(売主)と買主(投資家)がトレードオフの関係になります。
よって、金融商品のように明確な取引価格が決まっていないため、その時の相場より安く購入し、高く売却出来れば、金融商品より儲かる確率は高いです。
またその時の相場(時価)だけでなく、長期的なトレンドの価格高騰期・低迷期を見極めて売買すれば、さらに儲かります。
さらに金融商品と違って融資を使うことも可能で、保有期間中は家賃という名の「配当」ももらえます。
実質利回りから借入金利を引いた真の配当は、レバレッジが効いている分、金融商品よりもかなり高額となります。
これが不動産投資の醍醐味であると認識して、私も不動産投資を開始しました。
「金融商品への投資より不動産投資の方が優れている! ましてギャンブルなんてもってのほか! これからは不動産投資一本で資産を築いていこう!」と誰もが思うでしょう。
ところが実際に初めて数年が経過すると、たしかにその通りではあるのですが、重大な見落としをしていたことに気付きます。
そうです! 不動産投資の胴元は「国」「自治体」であり、さらに金融商品ではあり得ないような手数料を支払う必要がある「不動産仲介会社」という胴元の二次団体(?)が存在します。
不動産投資は購入時に登録免許税や仲介手数料などが必要となる上に、後日の不動産取得税、保有時に固定資産税、売却時にも所得税が課税されます。
さらに、胴元への「上納金」以外に、修繕費や管理費、客付け費用といったランニングコストも発生します。
いくら毎月高い「配当」をもらってもあまり手元に残らず、購入時と保有時、売却時にそれぞれ手数料が発生する粗悪な投資信託と変わりません(笑)
一般的にサラリーマン不動産投資家の8割以上は儲かっていないと言われてます。
それなりに勉強して物件を購入していれば勝てると思いますが、新築の割高なアパートやワンルームを購入する人が多いから、そう言われているのだと思います。
以前の記事で、保有5年後に物件を売却した際の、トータルでの収益シミュレーションをしたことがありましたが、よほど良い物件を購入しないとあまり儲からない、というのが私の結論です。
金融商品投資から不動産投資へシフトする方は、不動産投資には「国・自治体」「不動産会社」という「二大胴元」が存在することを認識した上で、取り組むか否かを検討して欲しいと思います。
それでは、金融商品(投資)と不動産投資の良いとこ取りをした投資商品はあるのでしょうか?
あるんです! 太陽光です(笑)
購入時の手数料(もしくは業者の儲け)は多少取られますが、登録免許税は安い土地分のみで、設備の取得税もありません。
保有期間の費用も償却資産税はかかりますが、それ以外のランニングコストは管理費や電気代程度と、極めて安いです。
当然、融資も引けます。
また基本的には売却を前提としておらず、20年(+α)を持ち続けて最後は設備を撤去するので、売却時の仲介手数料や所得税もかかりません。
購入後は大してやることも無いので、不動産と金融商品の中間みたいな位置づけですね。