先日買付が通った神奈川県秦野市の戸建ての契約を締結した際に、売主さんと色々お話することが出来ました。
・売主さんは都内在住(現地まで約2時間の距離)
・空き家となって数年経つが、月に1回程度は現地を訪問し、換気や敷地内の手入れを行っていた。
・過去に売却に動いた時は、地元の不動産業者へ仲介を依頼したが、価格が低いこともあって仲介はやる気なく、結局買付は入らないまま媒介契約は打ち切り。
・その際に、残置物の処分費用の見積もりを取ったが、約50万円と高額であったため、売れる前に先行投資したくなかったこともあり、残置物はそのままになってしまった。
戸建て投資家目線だと、なぜ「1日も早く売却しないのか」「賃貸に出すことをしないのか」と疑問に感じます。
ただし、一般の方は相続した実家をどうするか考える場面は一生に1度きりである上、思い入れもあるため、すぐに売却or賃貸を意思決定出来るケースは以外と少ないようです。
また借入の返済もないことから処分することを急ぎません。
そして誰も住まない状態で数年が経過すると、徐々に傷みが増え築年数も経過し、売却可能額が下がります。
路線価が付く首都圏の平成築の戸建てですらこのような状況なので、「地方」「非線引き・市街化調整区域」「旧耐震」「ボロボロ」の戸建てに至っては、まともな値段で売ることも貸すことも出来ず、そのまま空き家となり放置されるのでしょう。
私もこのような戸建ては、いくら利回りが高くても、現地まで遠いことや取れる家賃が低くコスパが悪いので手を出しません。
空き家が増加しているという報道は最近特に増えましたが、売主(=相続人)と買主(=戸建て投資家)の考え方の歪みを活かし、まずまずのエリア・まずまずの状態の戸建てを相場より安く購入することが出来れば、戸建ての賃貸需要はあるだけに投資としては十分に成り立つと思います。
7月より800万円以下の物件の仲介手数料は一律30万円(+税)に引き上げられ、今までは市場に出てこなかった数十万~300万円位の戸建てがアットホーム等へ掲載されることも増えそうです。
処分出来ればいくらでも良い!という売主も多そうなので、現在のマーケット環境をプラスと捉えて、良い物件を見つけていきたいと思います。