年末年始に神奈川県横須賀市のボロ戸建てを3戸、見に行ってきました。
神奈川県内で1000万円以下でクセが強すぎない戸建て物件が安定して見つかるのは、横須賀市と三浦市・平塚市以西・相模原市緑区くらいであり、横浜市・川崎市ではめったに出てきません。(横浜市郊外は崖地・旧耐震・駅からバス便であれば多少あります)
そういう意味では、横須賀市は首都圏でボロ戸建て投資を行う上では外せないエリアであり、私も過去に何度か行ったことがありましたが、たまたま年末年始に「おっ!」という物件を3つ続けて見つけたので、現地へ足を運んできました。
①500万円・平成築・汐入駅徒歩10分くらい・坂の上の崖地・一応再建築可・70㎡前後の2階建て
②300万円・平成築・汐入駅徒歩10分くらい・坂の上・一応再建築可・40㎡台の狭い2階建て
③100万円・築60年前後・京急田浦徒歩10分くらい・坂の上・森の中・再建築不可(旗竿地)・現地周辺は廃屋だらけ
横須賀市の土地は坂と崖ばかりのため、平地は非常に貴重で駐車場代も高く、500万円以下の物件は必然的にエグい立地の物件ばかりとなります。
よって接道面から再建築が出来なかったり、建築基準法上では接道していても大掛かりな擁壁工事が必要であったり重機が入れられないなどの理由から極めて割高な建築費用になるため「実質的に」再建築不可のような物件が多く、大正築の物件も多数現存しております(笑)
坂の上に住んでいた高齢者は階段移動がしんどくなると引っ越すことも多いため、平地以外は特に空き家が増加し、人口減少も著しいエリアです。
実際に現地へ内見に行くと階段を登らないでたどり着ける物件は過去になく、坂の途中でおばあさんが買い物袋を持ったまま休んでいる光景も何度も見ました。
私自身も正直、しんどかったです(笑)
ここまでの内容だと、「絶対住みたくない」「投資として成り立つのか?」と思われる方が大半だと思いますが、エリアとして良い点も多々あります。
・海と山が両方ある。(三浦半島の三崎マグロは有名)
・米軍基地があることから、横須賀中央~汐入界隈は特に、アメリカ人を多く見かけることが出来、異国情緒があふれている。
・都内通勤がなんとか可能である。(横須賀中央~品川まで特急で約1時間)
・横須賀中央駅は栄えており、都内や横浜駅まで行かなくても快適に生活できる。
また、コロナによって都内から人の移動があったのか、直近では人口減少に歯止めが掛かっているようで、2020年5月には人口が一瞬増加しましたが、すぐに再度減少に転じております。
さて、肝心な物件についてです。
①は建物自体は普通にボロいレベルで問題はないのですが、崖の斜面に無理やり建築しており、家の一部が完全に斜面から「浮いていて」、支柱で支えている状態でした。駅から徒歩圏で立地自体はまずまずなのですが、地震や大雨が来たら本当に流されてしまいそうな「保有リスク」が高い物件のため、「ダメ元指値」による買付も入れずに購入は見送りました。
②はちょっと検討しても良いかなと思いましたが、2階建ての一軒家にもかかわらず50平米未満と狭く、想定家賃が4万円台と思われたこと、一軒家なのに洗濯機置き場が外にあったこと、途中階段をかなり登るためクルマはもちろん原付や自転車も使うことは厳しそうでありリフォーム費用も割高となりそうなことから、採算的に厳しい印象でした。200万円くらいなら購入しても良いと思いましたが、先に満額買付が入ってしまい断念しました。
③は過去に見に行ったボロ戸建ての中で、一番「ありえない」物件でした(笑)。階段の途中に廃屋になった家が多数あり、そこを抜けた一番上がその物件でした。建物は築60年相当で想定内のボロさでしたが、手前に家が建っており接道が1メートル程度しか無い旗竿地で、物件の裏は樹木が生い茂っており、人が住めるような環境ではありませんでした。「手前の家とセットで購入して再建築可とした上で、樹木の伐採を徹底的に行えば、、、」と少し考えましたが、さすがに「超・上級者向け」の物件と判断し、いくら100万円とは言え、こちらも断念しました。
昨今は、ボロ戸建てブームも過熱し、賃貸需要が全くないようなエリアであったり、壮絶ボロだったりする物件をタダ~格安で購入して再生し「利回り数十%を達成!」という手法もありますが、家賃も高くとれるとは思えず、当然土地値も低く、入居後のクレームや追加工事なども考慮すると長期的なリターンが見込める投資になるとは思えず、利回り20%程度で「即転売」する選択肢しかないと、個人的には思っております。
超・上級者であればDIYも駆使して、完全な事業として取り組むには面白いと思いますが、私はサラリーマンとして投資と事業の中間位の位置づけでボロ戸建を購入しておりますので、身の丈をわきまえて自分の手に負えない物件には手を出さず、再現性の高い投資を着実に行っていきたいと思います。