ボロ戸建て投資ブームに火が付いておりますが、私よりはるかに「ボロい」戸建てを、私より「初心者」の方が購入するケースが増えているようです。
私はボロ戸建ての適正家賃は、エリアにもよりますが5~8万円と思っております。
5万円未満だと修繕等の経費率が上がり、8万円以上だと属性はそこそこ高い人の入居となり、法人の社宅であったり信用情報に傷があったりする人以外は、ごこかのタイミングで住宅ローンを組んで自宅を購入して退去してしまいます。
また都内など戸建ての家賃が8万円を大きく越えるエリアは、物件価格自体が高いことから、利回り15%越えを狙える物件はめったにありません。(あっても相当クセが強い物件ばかりです・・・)
私よりも「ボロい」戸建てを0~100万円くらいで購入する投資家は「路線価が付かないエリア」「接道に難あり(再建築不可)」「旧耐震」「リフォームに多額の費用がかかる壮絶ボロ」のうち複数当てはまる物件を激安で購入し、仕上がり100~300万円程度に抑え、3.5~5万円程度で貸し出し、利回り20~50%程度を目指しているのだと思います。
実は私もちょっとだけ憧れております(笑)
そこでブログの題名にある「戸建て・アパートは投資元本を回収したら勝ち確定か?」についてです。
まず路線価が数万円程度付いている、崖地・擁壁が無く、且つ超狭小土地でなければ、最悪「土地値ー解体費」で売れると思いますが、路線価無しエリア且つ建物余命が短い旧耐震物件で、そもそも限りなく0円に近い価格で入手出来るような難アリ物件だと、きちんとリフォームをしたとしても、住宅ローンを組んで買う実需層への売却はあまり期待出来ません。(カチ〇スさんでも買ってくれないでしょう)
仮に3年程度で投資元本を回収したとしても、家賃が4万円前後と安い物件であれば、「井戸ポンプ故障」「雨漏り」「外壁ひび割れ」「床修理」「水回りや配水」「浄化槽本体や部品交換」など、下手したら年間48万円以上の維持費が掛かる可能性もゼロではありませんし、入居者の滞納リスクも高いです。
都心のワンルームと違って、一度入居したら長期入居が期待できますが、それでも一度退去したらそれなりの費用は覚悟すべきですし、次の入居者がすぐ決まる保証もありません。
私は昨年末、購入後3年間「無風」だった千葉県八街市戸建ての井戸ポンプが寿命に伴う故障により、交換した際に年間家賃の半分近くが飛びました(笑)
利回り17%台のオーナーチェンジ物件だったので、3年で投資完本の約半分は回収していたのですが、半年分後戻りしてしまいました・・・
激安難あり物件は、投資元本回収後、入居者退去のタイミングでリフォームはせずに次の投資家へ200万円くらいで売却出来れば無事に「勝ち確定」となりますが、入居し続けたまま建物や設備の不具合を指摘されては、たまりません。
数年後もボロ戸建て投資ブームが続いていれば容易に売却出来ると思いますが、「やはりボロ過ぎる物件は100万円くらいで買っても手間暇や保有期間中のリスク、出口のリスクを考えると割に合わない」という風潮が強まると、結局投資家に30万円くらいでしか売れない、なんでことも考えられます。
2019年の大型台風の際は、保険会社もかなり柔軟に保険金を支払ってくれましたが、あれは例外と思っておくべきであり、実際に2021年より築古物件の火災保険料は大きく値上がりしてしまいました。
物件購入後に手間暇かけて再生させて、運営期間中は入居者に振り回されて、投資元本は回収して長期譲渡となった5~6年後に売却しようとした際には投資家にゴリゴリの指値を入れられて安価で売却することになり、結局5~6年後の税引き後のトータル収支は「散々頑張ったのにプラス100万円程度でフィニッシュ・・・」といった投資になってしまい兼ねません。
私も6戸目・7戸目と、ついに旧耐震物件に手を出してしまいましたが、特に7戸目の築50年超えの物件は「本当に買ってよかったのだろうか!?」と未だに答えが見つかりません。
ライバルが増えて、指値が通る物件も減って、なかなか買えないという焦りもありますが、再現性が低い極端なボロ物件には手を出さずに、「利回り15%・土地値・新耐震・擁壁なし」の物件購入を目指して頑張りたいと思います。