「今」、法人設立して不動産投資を拡大すべきか?

不動産

私は今迄、何度も法人設立を検討しては見送ってきました。

太陽光はかかる経費が少なく、4基所有していると青色申告控除(65万円)を差し引いても大きくプラスとなります。

その黒字分を相殺するために、購入直後に大きく経費計上が可能な「原状回復費用が掛かるボロ戸建て」を購入し、課税の繰り延べをしてしのいできました。

数年前までのアマゾンと同じ戦略です(笑)

融資が緩かった時期であれば、高額な1棟物件を法人でどんどん買い進めて規模拡大することが出来たので、法人設立費用・維持費用を十分賄うことも可能だったと思います。

また中期的にサラリーマリタイアを目指すなら、退職時に「きれいな」が決算書が3期分出来ていれば、プロパー融資にて理論上は無制限に融資を受けられる可能性が出てくるため、「メガ大家」「ギガ大家」になることも夢ではありません。

また、私が考える法人の一番のメリットは、経費計上範囲の拡大以上に、短期で物件売却した際においても「短期譲渡税」が徴収されず、決算時に総合課税されるだけで済むことです。

売上や利益の状況によって売却のタイミングを調整することも可能ですし、転売益を取れる物件を購入出来れば、躊躇なく売却するという選択肢も生まれます。

法人と個人のメリット・デメリットはネット上からいくらでも情報は拾えるので詳細は割愛しますが、2020年のコロナ禍において、不動産投資初期の人は法人を設立すべきか考えてみました。

自己資金が潤沢にあったり、将来の相続性対策なども必要な人であれば、もちろん法人で爆発的に規模拡大すれば良いですが、一般的なサラリーマンであれば「不要」と思います。

まず、投資初期の方であれば、現在の環境下においては、1・2年程度で投資規模3~5億円まで一気に買い進めるのはまず不可です。

法人で取り組むからには一定規模まで拡大出来ないと完全に経費倒れになってしまいます。

将来、プロパー融資を受けるために早い段階で法人を設立する人は多いですが、このご時世においてはあせる必要は無いと思います。

また、個人所有の物件も持っておく方が、コロナによる所得減などの際には個人の生活費にすることも可能ですし、赤字申告すれば所得税の還付も受けられます。

サラリーマンを継続しているうちは、法人からは役員報酬を受け取らないことが一般的ですし、有事の際に法人から借りてしまうと「役員貸付金」がバランスシートに計上され、金融機関目線ではマイナスになってしまいます。

ましてコロナ禍は長引きそうです。

本業の収入がダウンしてしまい、頭金も貯まらず高額な物件を融資を引いて購入することも出来ない中で、法人のカネに手を付けることも出来ず、身動きが取れなく狩る可能性もありそうです。

そもそも「必要以上に規模を大きく拡大する必要はあるのか?」と最近感じます。

不動産投資は所有欲も満たされ、物件に愛着が湧くことも多く、たくさん保有することは気持ちが良いと思いますが、あくまで個人に毛が生えたレベルで行っている「投資」「事業」です。

ひたすら規模拡大させて株式上場させる訳でもありません。

そう考えると、個人が心地よい規模感で事業を継続させることを第一に考え、必要以上にリスクをしょって規模拡大しなくても十分な気がします。

物件を保有していること=トラブルや天災、価格下落などのリスクを常に有していること、でもあります。

いくらキャッシュフローがプラスであっても、売却して利確をしない限り、本当に儲かっているのか分かりませんので、年間売上をせいぜい3000万円程度までにとどめて、マメに売却して現金を積み上げていくことを優先して、それを不動産に再投資する以外にも、金融商品投資に使うのもアリです。

トランプ大統領は4回破産しているようです。

日本のサラリーマンが自己破産しても勤務先にバレる訳でもなく大した問題ではありませんが、数年間は融資を引くことが出来なくなり、つまらない数年間を過ごすことになってしまいます。

また、数年以内にサラリーマンを退職するのであれば、所得税の心配は不要となるので、個人で木造アパート2棟程度所有して減価償却が終わってしまったとしても、大した課税額にはなりません。

将来豊かな生活を送るために必要な資金があるのかどうかは、

①毎月のキャッシュフロー(これから期待出来る収入)

②既に所有している現金・金融商品

③売却時に現金化が可能な不動産(含み益)

の3点かと思います。

人によって目指すべき目線や置かれた状況は違うと思いますが、①が潤沢でも、②③が少ない、もしくはマイナスであればあまり意味がありません。

「数年で一気に規模拡大が出来るタイミング」で、「個人レベルでは実現不可能な規模を目指すことを決定」したら、法人化へ舵を切りたいと思います。

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