値下がりしてきたアパートは「買い」か?

不動産

さすがに4月頃から、コロナ禍の影響でアパートの価格が低下してきた感があります。

ただし現在売りに出しているのは以下のパターン化と思います。

①コロナ禍の前から、高値で売る気満々で掲載していたが、売れずにコロナ禍に巻き込まれ、まだ売れ残っている。

②コロナ禍により収入が減少し、止む無く売却。

①の物件は相変わらず強気の価格設定で、「この価格では売れません!」という物件が大半で、昔のように三為業者などが素人投資家に高値で売却してくれることも期待出来ません(笑)

②の物件は、売主が自営業者・専業大家・サラリーマン投資家・宅建業者に大別されると思いますが、特に値下がり期待が高いのは、自営業者と宅建業者くらいかと思います。

あとは、テナント物件も所有していたりして、所有物件全体でキャッシュフローが回らなくなって換金売りしている専業大家・サラリーマン大家もいるかもしれません。

価格が下がってきたといっても、価格の頂点(利回り最低)である2018年頃から、2015年頃に戻ったくらいで、決して2009年~2012年頃の「底」にはまだまだ程遠いです。

それでも100年に一度といわれたリーマンショックを超える経済危機であることから、「ダメ元指値」が以外と通る可能性も高く、安く買えればこれから2,3年で一気に買い進めるのは面白いと思います。

 

ただし、仮に2年前に利回り10%で売られていた3000万円のアパート(年収300万円)が、利回り12%(価格は2500万円)くらいになれば、本当に「買い」でしょうか?

コロナにより、前提が変わった点は以下の通りかと思います。

①非正規社員や外国人労働者などの賃貸需要の激減

②上記に伴う、家賃の下落(利回り低下)

③滞納・夜逃げ・自殺といったネガティブ要素の増加懸念

④保証会社の倒産

⑤(コロナとは直接関係ないですが)消費税増税による、各種コストに掛かる支払い消費税が増加

本当に、大丈夫でしょうか??

住居系の家賃はリーマンショックの時でも1割程度しか下がらなかったと言いますが、12年前よりも賃貸住宅はさらに供給過剰となっている上に、今回はリーマンショック以上の経済危機です。

外国人や非正規社員の賃貸需要に依存している郊外の工業地帯などは特に厳しいと思います。

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逆に持ち家の人が住宅ローンを払えなくなって賃貸住宅に引っ越すという需要増や、低価格帯の物件であればより安い家賃を求めて引っ越してくる人も多そうです。

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生活保護者をターゲットとしている物件も以外と追い風かもしれません。

 

若干のプラス要因もありますが、9割方マイナス要因ばかりなので、今迄の利回り12%は、11%(か、それ以下)に掛け目を入れて考える方が良さそうです。

また「積算が出てるから」と購入しても、コロナ次第では土地価格大きな下落は避けられず、数年後の売却時には路線価が20%くらい下がっているかもしれません。

仮にコロナが収束して経済活動が再開されても、実態経済が元に戻るのは数年掛かると言われており、数か月後に非正規社員や外国人といった労働者の人手不足状態になるとは思えません。

経済評論家の中には、行き過ぎた金融緩和により大幅なインフレとなることを予測している人も多いですが、1年以内にそうなるとも思えず、仮になったとしても本当に土地の価値がある一部のエリアに限定されると思います。

郊外のアパートの家賃もインフレで上昇するのかな・・・

とりあえずは、あと半年~1年は、やや安くなった程度のアパートを無理に購入する必要は無く、買付時は「鬼指し」ですね!

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