不動産価格の「高騰期・低迷期」「割高・割安」

不動産

不動産価格は7~10年サイクルで上下すると言われておりますが、2012年あたりから価格が上昇し始め、そろそろ天井かと思いきや、コロナによる壮絶な金融緩和の影響もあり、都内のマンション・首都圏のアパート・郊外のボロ戸建てあたりの価格は依然として堅調です。

このような時期でも、物件を買うべきかを冷静に考えば考えるほど分からなくなってきましたので、一度整理して考えてみたいと思います。

私の感覚では、平成初期のバブル絶頂期を除けば、不動産価格はおおよそ直近数十年平均の価格から、景気や金利の影響によってプラスマイナス30%前後で上下するイメージです。

購入する時期を問わず、その時の「相場より安く買う」ことは非常に重要だと思いますが、それぞれパターン化して記載してみたいと思います。

★直近数十年の平均相場 1000万円(〇〇市  駅徒歩〇分  築〇年  〇平米)

・価格高騰期の相場 1300万円(+30%)   → 割安価格:910万円  割高価格:1690万円

・価格低迷期の相場 700万円(-30%)       → 割安価格:490万円  割高価格:910万円

*時期によって相場が3割上下、また購入価格もそれぞれの相場に対して3割づつ「割高」「割安」な価格を記載しております。

 

エリアや物件種別にもよりますが、上記の例で言うと、現在の相場は間違いなく1300万円だと思います。

間違っても割高な1690万円で購入してはいけません(笑)

今の相場でも割安な物件を見つけて910万円で購入することが出来ればベストですが、特に戸建てはライバルが急増しており、「業者の値付けミスか売り急ぎ物件」を「サイト掲載初日や掲載前の情報をもとに」に「ノールック」で、購入するくらいでなければ、そう簡単に購入出来ないと思います。

逆に価格低迷期であれば、相場で購入するだけでも700万円で、さらに割安で購入出来ればなんと490万円で購入することが出来ます。

「売却益〇〇千万!」「純資産〇億円!」といっているメガ大家さんは、ほぼ490万円で購入していたような方だと思います。

上記は分かりやすく金額のベースを1,000万円としておりますが、これが10倍の1億だとしたら、売却益のインパクトは絶大です。

不動産塾や不動産コンサルは宅建免許の有無を問わず、基本的には顧客に不動産を購入してもらう必要があるので、「価格の相場は誰にも読めない」「まだまだ上がるはず」「多少、高く買っても家賃というインカムを長期で得ることにより長期目線では儲かる」と顧客に説明していると思います。

結果的に正解となる可能性もありますが、価格高騰期の現在、初心者がいきなり相場の3割引きで購入出来る可能性は低いことから、せいぜい買値は1300万円程度となります。

不動産の購入と売却に物件価格の15%前後のコストが掛かること、1300万円の物件が今後さらに相場が大きく高騰する可能性は低いこと、相場の変動が無い場合でも5年後に1300万円が1200万円になるなど築年数に応じて価格は下落すること、融資を受けていれば金利も発生すること、家賃に対しては所得税が掛かること、物件保有期間は修繕コストや固定資産税などのコストもかかることから、極めて分が悪い投資となります。

きちんと運営して、相場高騰期をひたすら待てば、10~15年後くらいに売却額も含めたトータルでの損益分岐点がプラスとなる時期が来ると思いますが、それまでの間はいつ売却してもマイナスになるというのであれば投資としては全く旨みが無いです。

株式投資であれば、売買手数料は1%未満であり、保有中のランニングコストは信用買いでなければ発生せず、配当が安定して出る(=安定して利益をだせる)銘柄であれば配当利回りが株価の下支えとなり極端な暴落は無く、NISAであれば売却益に対しても非課税となる上に含み益が出ているタイミングでいつでも売却(換金)が可能です。

そう考えると、価格高騰期における始める不動産投資は、株式投資と比較すると「極めて勝ちにくい投資」な気がします。

私は決して物件を探すことは辞めませんが、少なくともキャピタルゲインが全く狙えないような物件を安易に購入することはせず、良い物件が無い時期はおとなしく割安なバリュー株投資でもしながら好機を待ちたいと思います。

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