イマイチ新築物件を購入する気になれない12の理由

不動産

不動産投資は過熱しておりますが、築古物件は残耐用年数の関係で融資が出にくいこともあり、融資が付きやすい「新築物件」を購入する人が増えているようです。

アパート建売業者の物件だけではなく、土地から新築を手掛ける中級者以上の投資家も多いですが、私は不動産投資を開始した時から、新築アパート物件には何故か興味が湧きません。

何故興味が湧かないかを整理してみました。

①土地は仲介で多少安く仕入れることが出来たとしても、少なくとも建物費用については建築会社の利益が乗っている。(中古と違って、その分割高となる)

②中古と違って価格の歪みが小さい。(今後アパート経営が成り立つような相応の立地で土地を相場より3割安く仕入れる、建築費を相場より3割安くしてもらうということが現実的ではない)

③特に土地から新築であれば、家賃回収開始までのタイムラグが長い。(また余計な金利負担も発生する)

④建築業者の倒産リスクを抱えてしまう。

⑤少なくとも建てた(新規供給した)戸数分は、需給を悪化させてしまう。

⑥利回りを確保するために基本的には1R・1Kになるが、新築・築浅物件に住みたがる単身者(学生や20~30代の会社員など)は今後ますます減少する見込みである。(今後増加する外国人や単身高齢者は、新築アパートへの入居希望割合は少ない)

⑦ライバルとなる新築物件は、今後も近隣に供給される可能性が極めて高い。(中古物件であれば、既に存在する近隣の築浅~中古物件がライバルとなるため、新築の供給増加の影響は軽微である)

⑧インフレが起こりにくい現在の日本においては、一部のエリアを除き物件の家賃は年々減少傾向であることに加えて、中古物件と違って経年劣化による家賃下落幅が大きい。

⑨物件契約~竣工~売却までの期間が長く、大きく儲かるか損するかは市況に委ねられる要素が大きい。(個人的には、市況が悪くなっても持ち続け良くなったタイミングで売却すれば良いという考え方には賛同出来ず「時価<残債」となる状況には耐えられません・・・。下手したら竣工した時点で既に土地価格が下落している可能性もあります。)

⑩建物部分に対して、10%の消費税が掛かる。(中古の仲介であれば、仲介手数料に対する消費税だけで済む)

⑪大きく積算割れすることが一般的である。(規模拡大させにくい)

⑫今は消費税還付が受けられない。

 

直近は、都内を中心に土地の価格、建物の建築費とも高騰しておりますが、その分家賃が上がっている訳ではありません。

また将来の金利低下による物件価格(相場)の上昇や、借り換えによるキャッシュフローの改善といった、外的要因の恩恵を受けられる可能性も極めて限定的で、もはや伸びしろがありません。

サラリーマン投資家の9割程度は、私も含めてここ10年以内に不動産投資を開始していると思われ、物件価格(相場)の下落や金利の上昇を経験しておらず、持ち続ければインカムゲインとキャピタルゲインの両方が狙えると信じている人も多いと思います。

30年前後でローンを組めばキャッシュフローが出るのは当たり前であり、儲かった気になっていても将来売却しようとしたら、市況悪化や金利上昇、経年劣化に伴う家賃下落(利回り低下)で物件価格が大きく下落(キャップレートは上昇)していて、売却価格で残債が精算出来なくなる可能性もあります。

新築特有のメリットも少なからずありますが、「融資が組みやすい」「キャッシュフローが(最初は)出る」からと言って、安易に大きな借入れはせず、よーく吟味して購入すべきですね。

タイトルとURLをコピーしました