私は2017年に不動産投資を開始しましたが、当時はスルガショック前だったので「融資ジャブジャブ」「多法人スキーム全盛期」「消費税還付スキーム全盛期」という、物件購入には追い風の時代でした。
一方でアパート等の収益物件の価格は2012年頃から上昇が続いていたこともあり「おそらくあと1,2年で相場は下落傾向に転じるだとう」と判断しました。
不動産投資初心者が「価格高騰期」に「高額な」物件を購入すると、価格が下落に転じたら取返しが付かないことになると思い、当時価格がさほど上昇しておらず、不動産投資初心者が経験を積むには理想的な価格帯である「戸建て」の購入から開始することとしました。
現在は10戸の戸建てを所有しておりますが、アパートは1棟も購入しておりません。
過去に2度ほど、明らかに安いアパートに買付を入れたことがありましたが、購入することは出来ませんでした。
*片方のアパートは「23区内」「JR駅徒歩3分」「平成築」「所有権」「再建築不可」で利回り15%という、今ではまずお目に掛かれないスペックで、融資の内諾も得ることが出来ましたが、惜しくも業者の現金買いが先に決まってしまい、今でも思い出すと悔しいです・・・
そんな中、結果として戸建てばかり購入してきた訳ですが、アパートではなく戸建てに絞って購入を進めたことの良かった点と後悔している点を整理してみました。
◆良かった点
・細かい失敗は多々あったが、物件の価格が安価なため、かすり傷程度で済んだ。
・物件探し→物件価値判断→指値交渉と買付け→購入(決済)→リフォーム→客付けまでの一連の流れをたくさん経験することが出来た。
・現金でも購入出来るため、お宝物件も時々購入することが出来た。(アパートであれば融資を使うため、そのようなお宝物件は上級者や現金客にさらわれてしまうため、まず購入出来なかったと思います。)
・流動性が高い分、今後機動的に売却を進めることが出来る。
・積算以下で購入している物件が大半であり、信用毀損にならずに買い進められている。
・アパートの融資が厳しくなったこともあり、戸建てバブルが到来し将来はそこそこの価格で売却出来そう(笑)
◆後悔していること
・ここまでアパートの価格が上昇するとは思わなかった。(購入していれば、戸建てとは桁違いの含み益が得られていた)
・キャッシュフローを再投資することにより、規模拡大のスピードを加速させるという「複利効果」を享受出来なかった。
当時は、あと1,2年で価格は下落に転じると思っていたため、築古アパートに3~4%の金利で30年融資で購入するとキャッシュフローは出ても、間違いなくキャピタルロスが発生すると予想しておりました。
結果的にコロナ融資や副業ブームも重なり価格は更に上昇しましたので、与信枠をフルに活用して億単位の借入れをし規模拡大していれば、今売却をしたら数千万単位の利益は得られたと思います。
あくまで「タラレバ」の話なので、実際は購入したアパートが頻繁なトラブルに見舞われたり、学生や外国人などの大量退去に直面していた可能性もあり、どちらが正解だったのかは正直分かりません。
2022年現在インフレが進んでいることから、より多くの借金を抱えている方が有利な局面になりつつありますが、1・2年後はどのような情勢になっているか、全く読めません。
少なくとも今現在、大きなトラブルを抱えることなく、ボチボチの規模まで拡大出来ているので、結果として戸建てのみを買い進めたことに対する自己採点は「80点」くらいです。
戸建はアパートと違って、銀行の融資スタンスや金利の上下といった外部環境によって価格が左右される要素が極めて小さいので、精神衛生上「良い投資」だと思います。
FIREはまだまだ先になりそうですが、「キャッシュフロー+元本返済」にて、着実に純資産を拡大させていきたいと思います。