不動産や太陽光は、物件にもよりますが基本的には毎年価値(相場価格)が低下していきます。
今回は太陽光発電設備一式(土地+設備)の資産価値の目減りについて定量分析してみたいと思います。
<前提>
・購入価格 2000万円 *うち土地200万円 パネル設備1800万円
・土地は減価しない。(太陽光用地はかなり田舎の土地なので、実際には価格は長期的には下がる可能性が高いですが無視します。)
・パネルの設備の法定耐用年数は17年ですが、実際は30年は使える(=発電する)と仮定。
・FIT価格は32円(20年間)、20年後から10年間の買取価格は8円(4分の1になる)
・表面利回りは10%
すると30年間の生涯収入は以下の通りとなります。
(年間200万円×20年=4,000万円)+(年間50万円×10年=500万円)= 4,500万円
すると最初の20年間で生涯収入の9分の8(4000万円÷4500万円)を稼ぐことになります。
稼ぐ金額通りに按分すると、20年経過後のパネル設備価格は1800万円×(8÷9)=1600万円を減価した200万円となりますので、20年後の太陽光設備一式の価値は以下の通りです。
土地(200万円)+ パネル設備(1800万円—1600万円=200万円) = 400万円
*20年後に400万円なら売れるかも! という価格です。
残り10年間で500万円しか稼げず、その後は二束三文の土地は残りますが、パネル撤去代が待っておりますので微妙かもしれませんが、まぁ現実的です。
よって、最初の20年間における資産目減り額は、20年間で1600万円が減価されることから、1年あたりの資産価値の目減りは80万円(年間4%)となります。
15年ローンを「元金均等方式」にて借入れをしている場合、元金(元本)は年間133万円程度減少するため、多少の金利支払い分を加味しても、目減り分を引いても年間30万円程度ずつ「資産超過」(≒貯金)となっていく上に多少のキャッシュフローも得られます。
仮にキャッシュフローが月2万円(年間24万円)であれば、増加する資産は理論上は、30万円+24万円で年間合計54万円となります。
30年スパンで考えた時は、上記の理論に基づき中古設備の価格が形成されるはずです。
太陽光は、市況の影響はさほど受けずに将来の収益予測も立ちやすいことから、薄利ではありますが、不動産と比較して運の要素も少なく、安心して投資出来ると思います。
次回は不動産(築古戸建て)について考察してみたいと思います。