納税(黒字)VS 節税(赤字)

不動産

私は、あえて法人は設立させずに、そこそこの規模になりつつある中でも「個人事業主」として、物件を買い進めてきました。

ボロ戸建てと太陽光は相性が良く、太陽光(事業所得)は黒字、ボロ戸建て(不動産所得)は赤字、トータルでプラスマイナス100万円以内の着地を目指しております。

事業所得は黒字なので青色申告の65万円控除はしっかり使え、戸建ての建物4年減価償却とリフォーム費用にて不動産所得はしっかりと?赤字になり、現在は居心地が良い所におりますが、今後1年で減価償却が切れる戸建てが2戸あり、いよいよ来年からは税金(所得税)との闘いが本格的に始まります(笑)

不動産や太陽光投資は、税金や利払いなど全て加味した上で、長期的目線で「最終的にいくら手残りがあったか(儲かったか)」を目指すビジネスとなります。

そこで、極力節税をして納税を先送りするのと、積極的に納税をすることのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

<極力節税+納税を先送り>

・納税をしない(少ない)分、余計なキャッシュアウトがなく、手元にキャッシュが残りやすい。(メリット)

・赤字となれば、翌期以降の税繰越(個人の青色申告者であれば3年)や、サラリーマンであれば所得税の還付や給与から引かれる住民税が安くなる。(メリット)

・上記を通じて、残ったキャッシュを元手に、再投資出来る。(メリット)

・確定申告書や決算書の「損益計算書」がパッとせず、融資が引きにくくなる。(デメリット)

・減価償却を多めに取る分、「貸借対照表」の簿価が少なくなり、これまた融資が引きにくくなる。(デメリット)

・ただしキャッシュが手元に多くある、もしくはそのキャッシュで購入した無担保の物件を保有していれば融資にプラス評価(メリット)

 

<積極的に納税>

・黒字経営+納税を毎期継続することにより、金融機関から信用が得られやすくなり、融資が引きやすくなる。(メリット)

・納税をカードで払えば、ポイントが貯まる。(メリット)

・(法人であれば)、法人ごと売却(M&A)する場合、高く売れる?(メリット)

・キャッシュアウトが伴い、且つ一度払った税金は返ってこない。(デメリット)

 

他にもあるかもしれないですが、ざっとこんな感じでしょうか。

積極的に納税することのメリットをかなり考えたのですが、「銀行から融資が受けやすくなる」以外に、ほとんどありませんでした(笑)

整理すると、

「さほど納税しなくても、他にプラス要因があり融資が受けられる」のがベストで、

「しっかり納税はしたが、他にマイナス要因があり融資が受けられない」というのが最悪なシナリオです。

購入した物件の良し悪し・運営の良し悪しによって、決算内容は大きく変わってくると思いますが、減価償却期間を長めに設定したり、計上出来る経費を計上しなかったりすることで、帳簿上の黒字を確保することは、さほど難しくないと思います。

ベンチャー企業などは、儲けを再投資することにより、大きな黒字を作らずに、会社を大きくすることが良くあります。

アマゾンも、割と最近までは、そうでした。

 

しっかりと納税して素晴らしい決算書を仕上げることにより、「融資が厳しくて他の投資家が購入出来ず」「物件価格(相場)が大幅に下落している」局面であれば、良い決算書・確定申告書を作りしっかりと納税しておくことが、ある意味「先行投資」になると思いますが、これだけ融資が厳しくなった中においてもアパートの価格はさほど下がらないことから、融資が緩くなった時には購入しても全く旨みが無い水準まで価格が跳ね上がる(=利回りは下がる)ことも十分あり得るため、その場合は「先行投資」の意味が薄れてしまいます。

おそらく融資が緩くなった際には、私のような確定申告内容の「先行投資」をしていない投資家でも、数千万程度であれば融資は下りると思います。(たぶん)

 

私は2017年より不動産投資を開始して、物件価格(相場)が大きく暴落するまではデカい1棟モノは購入せず、価格がさほど高騰していない(いなかった)戸建てを買い続けてマーケットの様子を見続けてきましたが、スルガショック後も、コロナショック後も、これだけ物件価格が下がってこないとは想定外でした・・・

今後、1・2年でいよいよ物件価格が下がると予測して、物件購入のペースを落として、そこそこの額の黒字を計上させておくべきか、当面価格の高止まりが続くと予測して、引き続きボロ戸建てを買い続けて黒字を抑えるべきか、中長期的な財務戦略もしっかりと立てて行きたいと思います。

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