戸建が完全な収益物件になった後の未来予測

不動産

築古戸建て投資、空き家再生といった、古い戸建てを収益物件へ生まれ変わらせ、市場へ供給する動きがかなり進んでおります。

1棟モノの融資が閉まったこともありますが、おそらく区分で失敗した人が、「ボロ戸建てって利回り15%で管理費・修繕積立金もなくて、土地が残るの!?」と驚き戸建て市場に参入したことに加え、サラリーマンが気軽に出来る副業として今迄以上に注目を集まってきたためと思います。

アパートは基本的には100%投資物件ですが、戸建ては基本的には「買って住む」ための実需商品です。

これだけ投資商品になりつつある中でも、投資物件として流通する割合は1割未満だと思いますが、今後これが上昇することにより、アパートと並列の投資物件に近づきそうです。

現在は、耐用年数越えの戸建てを投資物件として融資を出す金融機関は、公庫と一部もノンバンク・信金くらいで、アパートほど金融機関は融資に積極的にはありません。

公庫は借入期間も10年までが一般的なので、キャッシュフローも出ず、退去したら収入はゼロになるため、複数戸あるアパートと違って、金融機関目線で融資しにくいのは理解出来ます。

その結果、土地・建物面積が戸建ての2倍程度のアパートが、戸建ての4倍くらいになって収益還元法で売られており、価格高騰期は特に単身用物件は積算価格の倍以上でも融資が付き、投資家も積極的に購入しておりました。

戸建とアパートの価格妥当性の比較
戸建とアパートについて、価格や価値の違和感、歪みについて考えてみました。 同じ立地・築年数と仮定して、路線価5~10万円程度のエリアでは、私の感覚では現在の相場は以下のイメージです。戸建    土地80平米 建物80平米   → 5...

ところが、金融機関の融資姿勢の方向転換によりアパートは融資が引き締められ価格低下傾向になるのとは逆に、戸建ては過熱しており、今後は以下のような現象が起こると予想しております。

 

・単身向けアパートの供給過剰により、ファミリー向けである戸建て物件の方が、金融機関はデフォルトリスクが低いということに気付く。(ロットが低いことからサラリーマンであれば給与収入からの返済も可能な範囲であり、2000万円の区分よりも安全?)

・積算評価で見ても、アパートより割安なケースが多く、金融機関は実は融資しやすい(路線価が無いようなエリアは例外)

・不動産テック、ブロックチェーンや、オンライン面談の普及により不動産売買手続き・融資手続きが簡略化され、安価な戸建てにおいても、積極融資をする金融機関が現れる。(手間がかからず融資しやすい環境が整ってきた)

戸建賃貸マーケットが確立されてくれば、流動性も上がり、ローン返済が滞った際も市場で売却しやすく、もともと価格面においては流動性が高い不動産商品であることから、金融機関目線では、悪い融資商品ではないと思います。

すると何が起こるかというと、不動産業者も戸建てを売りやすくなり、買取再販が活発化することにより価格も高騰し、アパートと同じ利回りまでは価格が上昇するはずです!

既に投資物件サイトの掲載物件は、同じエリア・築年数であれば、オーナーチェンジ物件はアパートの利回りに近づいてきておりますが、空き家を購入してリフォームの上、賃貸マーケットへリリースした際はアパート比2~3%高い利回りになる印象です。

不動産業者が、空き家購入→リフォーム→売主として販売→入居者が付くまでの〇か月は賃料保証 というスキームで銀行融資を引きやすくして販売する物件が急増すると思います。

また、空き家再生しているサラリーマン投資家の「出口物件」として、アパートは金額が大きく購入するのは怖いのでまずは少額の戸建てから。。。という私のような手堅い(臆病な)投資家が、区分から流れてきます。

区分より遥かに利回りは高いことから、アパートと同じく、路線価5~10万円エリアの築35年物件が、積算の2倍・利回り10%強で売れてしまいます。

コロナにより、不動産市況は先が読めないですが、アパートと比較して、同じエリアであれば客付け面が容易であること、共用部の維持コストが無い分運営コストも低いことから、戸建ては手堅い投資商品になり得ると思いますので、この未来予測が当たることを祈って、当面は戸建てをコツコツと買い増して行きたいと思います。

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