不動産・太陽光とも物件価格が高止まりしている割に、融資が出難い状況が続いており、かなりの数のサラリーマン投資家がボロ戸建てにも参入しております。
ボロ戸建ても以前ほど公庫が融資を出さなくなったようで、融資が付きやすいのは価格の高騰が続く区分マンションくらいでしょうか。
そんな中、数年前まではそこそこの年収があるサラリーマンであれば「法人を設立し規模拡大→サラリーマンリタイア」を目指す方が多く、「不動産投資を開始=法人設立」があたり前の風潮がありました。
そんな中、そこそこの年収があるサラリーマンの私は、価格高騰期に大型物件を購入する勇気もなく、法人を設立することのメリットをあまり感じず、未だに個人事業主のまま投資(事業)を行っております。
法人と個人のメリット・デメリット、法人化のタイミング等についてはネット上でいくらでも情報が取れますので詳しくは説明しませんが、「黒字の決算書を3期分作って、個人では到達出来ない規模まで借入れを増やし、一気に規模拡大→リタイアを目指す」という戦略は、今の環境下で正しいのか、疑問に感じております。
法人化のメリットは、経費幅の拡大、対外的な信用アップ(融資を受けやすい)、高所得の個人と比較して税率が低い、物件売却時に分離課税とならず総合課税である(短期譲渡40%が無いため、短期転売もしやすい)、個人事業主による不動産事業が赤字の場合の土地購入時の借入金利息の経費計上不可という縛りがない、といったあたりでしょうが、現在の環境下において、私は以下のように考えるようになりつつあります。
<太陽光>
・減価償却費が出来ない土地比率が低く、建物(設備)も17年償却と耐用年数が短いので帳簿上の黒字は大きくなりにくい。(税負担は、さほど大きくない)
・売却を前提としていないため、売却益(売却金額ー簿価)に対して掛かる譲渡税のことも気にしなくても良い。
・いよいよ個人では税率面で厳しくなり、新設した法人に売却時にする展開になったとしても、不動産と違って取得税が掛からない(とりあえず個人で購入・保有し続けておいても将来的に大きな問題は発生しない)
<不動産>
・太陽光の黒字分を、ボロ戸建ての減価償却(原則4年)と、リフォーム費用(経費一括計上もしくは建物価格に上乗せして4年で減価償却)による赤字で相殺出来る。
・本当は、相場より大幅に安く買って短期で転売したいが(笑)、売買に関わる諸費用を差し引いても大きく利益を出せる物件が減少しており、最低5~6年保有して「インカム∔キャピタル」を狙う方が確実に儲かるような気がしてきた。(短期で売買益を狙うのであれば、売買コストが小さい株式投資で十分と考えるようになってきた)
・一気にリタイアが狙える大型の1棟モノを購入する意欲が減退してきた(笑)
・一定数まで戸建ての戸数が増えてきて減価償却期間が終了したら、長期譲渡(20%)で売却することにより「マメに利確」して物件を入れ替えていくことが、税制面では一番合理的ということに気付いた(笑)
・物件売却益を元手に、良い物件がなければ株式投資等の金融商品に投資することも検討。
要は、個人事業主のままであっても、
・ボロ戸建てを活用し、上手くTAXコントロールを行い税率・税額を抑えて
・銀行融資に頼って、大きく規模を拡大することはせず、
・長期譲渡で売却を繰り返し、物件の入替えを行い、
・利益を不動産・太陽光以外の金融商品にも投資、
をしていけば、純資産10億越えは難しいが、2~3億円越えであれば、かなり時間を掛ければ十分可能との結論に至りました!
法人維持コストを払い、将来銀行から多額の融資を引き出すべく毎期毎期法人税をしっかり納税し、将来なんとか融資を引いて大型物件を購入したとしても、それが大きな果実を生むとは限りません。
私は公庫で2%未満の固定金利による借入で、数千万円程度の借入れという低めのレバレッジで、時間を掛けて純資産を拡大させていく方針ですが、
・物件相場が大きく下落(2009年~2012年頃の水準)
・インフレがついに加速
といった、大きく借金をして不動産投資をするべき条件が揃わない限り、地味に行くつもりです。
また、サラリーマンをリタイヤして本業からの所得がなくなれば、事業所得・不動産所得が増加したところで、税負担は大したことはありません。
リタイア後も、3000万円くらいであれば今迄の個人事業主としての実績で、信用金庫あたりからなら、融資は受けられると勝手に思い込んでおります(笑)
ネットの記事や他の方のブログなどを拝見していても、私の同じ考えの方がほとんどいないため、私の考え方が不動産投資家としては少しズレているのかと心配ではありますが・・・
とはいえ、不動産賃貸業は「人口減少」と「供給過剰」により、基本的には「レッドオーシャンな斜陽産業」だと考えておりますので、今の市況が続くうちは、手元現金に余裕が出来たとしても、勢いでイマイチな物件を購入することなく、将来の買い場に備えて、残債を減らしつつ、500万円前後の戸建ての購入程度に留めたいと思います。